会議が終わったあと、「で、結局なにが決まったんだっけ」となること、ありませんか。メモは取った。でも整理する時間がない。発言を追いながら要点をまとめるのは、そもそも人間には荷が重い作業だ。
私はずっと、議事録は「会議中にきれいに書ききるもの」だと思っていた。実際は逆で、走り書きでいいから素材を残し、整理はAIに任せたほうが速いし正確だった。考え方を変えるだけで、議事録づくりは劇的に軽くなる。
ここでは録音やテキストメモをChatGPT・Claudeに渡して、議事録を自動でまとめる手順を、そのまま使えるプロンプトつきで見ていく。
⏩ 急いでいる方はこちら
- 議事録要約のプロンプト例
- 録音からテキスト化する方法
- 失敗しないための注意点
AIで議事録をまとめる2つのルート
ルート①:録音 → テキスト化 → 要約
録音さえあれば、文字起こし→要約の流れでほぼ自動化できる。
| ステップ | ツール | 所要時間の目安 |
|---|---|---|
| 録音 | スマホのボイスメモなど | 会議中 |
| 文字起こし | Whisper(OpenAI)/ Notta | 録音時間の20〜50% |
| 要約・整理 | ChatGPT / Claude | 1〜3分 |
Whisperは無料で使える文字起こしAIで、日本語の精度が高い。出典:OpenAI Whisper https://openai.com/index/whisper/ (2026年確認)。
ルート②:走り書きメモ → 要約
録音がなくても、メモやチャットのやりとりをそのまま貼り付ければ整理できる。仕上がりは元メモの質しだいだが、箇条書き程度でも十分使える。
どちらのルートを選ぶかは、会議の重さで決めるといい。発言の細かいニュアンスまで残したい重要会議は録音ルート。社内の定例や、決定事項だけ拾えればいい打ち合わせはメモルートで十分だ。全部を録音→文字起こしに回すと、かえって手間が増える。最初から全部きっちりやろうとして挫折する人は多い。
<a id="prompt"></a>
議事録要約プロンプト例
基本パターン(決定事項・アクション重視)
以下の会議メモ(または文字起こし)を読んで、次の形式で議事録を作成してください。
【会議名】
【日時・参加者】(わかる範囲で)
■ 決定事項(担当者と期限を含めて箇条書き)
■ 次回までのアクション(担当者:期限)
■ 未解決・持ち越しの論点
■ 補足メモ(分類できない重要発言)
[メモを貼り付け]
上位者への報告用(短く要点だけ)
以下の会議メモを200字以内で要約してください。
対象:会議に出ていない上司。「何が決まったか」「次に何をするか」だけ簡潔に。
[メモを貼り付け]
複数回の会議を比較する
以下の2回分のメモを読んで、
①前回から進んだこと ②今回の新しい論点 ③通して未解決のもの
に整理してください。
【第1回】[貼り付け]
【第2回】[貼り付け]
<a id="whisper"></a>
録音からテキスト化する方法
いちばん手軽な使い方(API不要)
ChatGPTの有料プラン(Plus以上)なら、音声ファイルを直接アップロードして文字起こしを頼める。手順はシンプルだ。
- 1ChatGPTを開く
- 2音声ファイル(mp3/wav/m4a)をアップロード
- 3「この音声を文字起こしして」と指示
1時間超の音声は分割が要ることがある。15〜30分ずつに切ると安定する。出典:OpenAI 公式 https://openai.com/business/chatgpt-pricing/ (2026年)。
NottaやFireflies.aiを使う
Zoomなどと連携できるサービスなら、会議中に自動でテキスト化してくれる。
| サービス | 特徴 | 無料枠 |
|---|---|---|
| Notta | 日本語に強い・Zoom/Teams連携 | 月120分(1回3分まで) |
| Fireflies.ai | Slack・Notion連携 | 保存枠あり |
| tl;dv | Zoom・Google Meet連携 | 文字起こし無制限(英語中心) |
国内の会議が中心ならNottaが使いやすい。ただし無料版は1回3分の連続録音制限があるので、本格運用は有料が前提になる。出典:Notta 公式 https://www.notta.ai/en/pricing (2026年)。
どれを選ぶかの目安
まず試すなら、追加費用ゼロで始められるWhisper+ChatGPTの組み合わせが手堅い。会議のたびに自動で文字起こしまで回したい、Zoomと常時連携したい、という段階になったら専用ツールの有料プランを検討する、という順番がいい。最初から月額のツールに飛びつかなくても、手元の有料ChatGPTで十分まかなえることは多い。
英語混じりの会議が多い、SlackやNotionに自動で要約を流したい、といった要望があるならFireflies.aiが候補になる。自分の会議が「日本語中心か」「連携をどこまで自動化したいか」で選ぶと外さない。
<a id="chui"></a>
失敗しないための注意点
固有名詞・社内用語のブレ
文字起こしで人名やプロダクト名、社内略語がズレると、要約もそのまま間違える。ある会議では「田中さん」が「棚瀬さん」になり、誰のタスクか分からない議事録ができてしまった。
対策はシンプル。プロンプトの頭に「以下の固有名詞は正確に:〇〇部長/△△プロジェクト/□□システム」と置いておく。それだけで取り違えが激減する。
機密情報の扱い
社外秘を含むメモをクラウドのAIに送るのは慎重に。各社「履歴・学習をオフ」にする設定はあるが、社内ルールを確認してから使う。機密度が高い会議は、ローカルで動くWhisperか、社内承認済みのツールに限定するのが安全だ。
一次案として扱う
AIが作った議事録は、あくまで下書き。発言者の意図がずれていたり、ニュアンスが変わっていることがある。配布前に5分だけ目を通す。これを怠ると、「決定事項が違う」とあとで火種になる。要約の速さと、確認の手間は別物だ。
ありがちな失敗をもう一つ。AIは、要点がはっきりしない雑談や保留の発言を、勝手に「決定事項」として書いてしまうことがある。「ちょっと検討しよう」程度の話が、議事録では「Aさんが対応する」と断定で載っていた、というケース。発言者が見たら「そんなこと決めてない」となる。だからこそ、配布前のひと目が要る。
長い会議は区切って渡す
2時間の会議をまるごと一度に投げると、後半の要約が雑になりやすい。議題ごとに区切って渡すか、「前半30分」「後半」と分けて要約させ、最後に統合する。長文をそのまま飲ませると精度が落ちる、というのは要約でも同じだ。
よくある質問
Q. 無料のChatGPTでもできる?
A. テキストを貼って要約するだけなら無料でも可能。ただし音声アップロードや長文処理はPlus以上が安定する。
Q. 文字起こしの精度は?
A. Whisperの日本語精度は、クリアな音声なら95%前後。複数人が同時に話す・小声・方言で誤りが増える。録音環境を整えるだけで結果が変わる。
Q. どれくらい時短できる?
A. 手書きで30分かけていた議事録が、文字起こし込みでも5〜10分に収まることが多い。
Q. Zoomの自動文字起こしと何が違う?
A. Zoomはリアルタイムだが日本語精度がやや落ちる。Whisperや専用ツールは精度が高いが後処理。Zoomの結果をChatGPTで整えるハイブリッドも有効。
Q. 毎回同じ形式で出したい。
A. 議事録テンプレをプロンプトとして保存し、ChatGPTのカスタム指示やプロジェクトに入れておけば、毎回貼らずに済む。フォーマットが揃うと、読む側も毎回どこを見ればいいか分かって楽になる。
Q. オンライン会議とリアル会議で使い分けは?
A. オンラインは録画・録音が取りやすいので録音ルートが向く。リアル会議はスマホのボイスメモで録っておくか、難しければ走り書きメモを後から貼る。どちらも、要約のプロンプトは同じものが使い回せる。
まとめ
✅ 今すぐできること(1分)
次の会議で走り書きしたメモを、上の「基本パターン」のプロンプトにそのまま貼って投げてみる。出てきた議事録を見て、「使える」「ここは直す」を確かめるだけでいい。
議事録は、書くものから整えるものへ。素材を残してAIに渡す、と発想を変えた人から、会議後の30分が消えていく。完璧な文字起こしを待つより、まず手元のメモで一度試すのが近道だ。
業務フローへのAI組み込みや、自社専用の議事録ツール作りに興味があれば /contact からどうぞ。「うちの会議形式だとどう組むのが速い?」という相談も歓迎です。
執筆:S
あわせて使いたい:AIボイスレコーダー
議事録の自動化をさらに進めるなら、録音から文字起こし・要約まで一台でこなすPlaud(AIボイスレコーダー)も選択肢に入る。会議中に置いておくだけで、終了後すぐ要約が手元に届く。ChatGPTやNotionとの連携にも対応している。
※ アフィリエイトリンクを含みます。読者への追加費用はありません。