LINEスタンプの申請で「リジェクト(差し戻し)」を受けた経験は、スタンプ作りをしている人ならほとんどが通る道です。LINE Creators Marketのガイドラインは細かく、しかも審査基準が時期で更新されるため、過去にOKだったものが現在はNGというケースもあります。
ここでは、初回審査で落ちやすい10パターンを、なぜリジェクトされるか・どう直すかとセットで見ていきます。再申請の前にひととおり目を通しておくと、何往復もする手間が省けます。
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まずは公式ガイドラインの位置を確認
迷ったら必ず公式に戻る、が原則。最新版は LINE Creators Market の審査ガイドラインページに集約されています(LINE Creators Market 審査ガイドライン、2024-2025年改訂、https://creator.line.me/ja/review_guideline/)。画像サイズ・余白・形式などの仕様は別ページ「スタンプ制作ガイドライン」に詳しい記載があります(同、https://creator.line.me/ja/guideline/sticker/)。
審査結果のメールに記載される「審査ガイドライン違反コード」も、これらのページで意味を確認できます。コードが分かれば再申請までの修正が一気に絞り込めるので、結果メールは捨てずに保管してください。
リジェクトされやすい10パターン
実際に多いものから順に並べます。
1. 画像サイズが規定外
メイン画像は240×240px、トーク画像は最大370×320px、トークルームタブ画像は96×74pxの3種が必須です。1pxでもズレるとリジェクトされます。Photoshop・Figma・Procreateで「キャンバスサイズ」と「書き出しサイズ」がずれているケースが特に多い。
書き出し時のCSS拡大・iPad ProcreateのDPI設定の罠もあります。「キャンバスを72dpiで作ったつもりが132dpiだった」だけで、書き出しサイズが2倍近くずれることがあります。
2. 透過処理ができていない
PNGの背景が白で塗りつぶされたまま提出されるパターン。サムネイルでは目立ちませんが、トーク画面に置くと白い四角が浮いて見えます。「背景透明」のチェックと、書き出し時の「透明部分を保持」設定の両方を確認してください。
JPEG形式での書き出しはそもそも透過情報を持てないため、PNG-24で書き出すのが原則。「Procreateで描いたあと、サイズ調整でJPEG経由してしまった」も典型的な事故です。
3. 余白の指定違反
公式の制作ガイドラインで「外周10pxの余白を推奨」と明記されています。ギリギリまで絵を入れると、トーク画面で隣のスタンプとくっついて見えるため、推奨を守らないと差し戻されやすい。「キャラクターの一番外側のピクセルから10px空ける」が基本です。
4. 著作権・肖像権の問題
実在の人物・既存キャラクター・有名ロゴ・テレビ番組の名前は使えません。「ぱっと見では分からないけれどそっくり」もNG。判断に迷うキャラはすべて避けるのが無難です。
意外な落とし穴は、駅名・地名そのものはOKでも、その地域の有名建造物(ロゴが入った球場・私鉄ロゴが映る駅名標など)はNGになる点。「うちの地元スタンプ」を作る人がはまりやすい罠です。
5. 暴力・差別表現
ナイフ・血しぶき・侮蔑表現を含むスタンプはリジェクトされます。コミカルな表現でも、銃口を相手に向けた構図、首を絞めるような構図は引っかかります。
「友達同士のノリで作った内輪ネタ」のスタンプが、第三者から見ると侮蔑表現に見える、というケースも多発しています。販売前に家族や同僚に見てもらうと、自分では気づかなかった引っかかりが発見できます。
6. 文字だけのスタンプの扱い
文字のみのスタンプは「LINE文字スタンプ」というカテゴリに該当し、別の審査基準が適用されます。通常スタンプとして申請すると「文字スタンプとして再申請してください」と差し戻されます。
絵文字程度のキャラを添えるだけでは「文字スタンプ判定」される可能性があります。明確に「キャラのセリフとしての文字」になっているか、デザイナーの工夫が問われます。
7. メイン画像とスタンプの整合性
メイン画像のキャラとスタンプ内のキャラが別物に見えるとリジェクトされます。色味・体型・表情のクセが揃っているかを確認してください。
「メイン画像だけ気合を入れて描き直したら、本体40枚との整合性が崩れた」のはあるあるの失敗。メイン画像は最後に作るほうが安全です。
8. 申請情報の不備
スタンプのタイトルに「LINE」を入れることはNGです。「〇〇のLINEスタンプ」は典型的な落ち例。説明文の表現はやや緩いものの、「公式感」を出す表現(「LINE公認」など)はNG扱いになります。タイトルは「〇〇」「〇〇のあいさつ」のようにシンプルに、スタンプ自体の内容を表す名詞中心にしておくのが無難です。
9. 言語タグと翻訳の不一致
説明文を「日本語のみ」と設定したのに英語タイトルが入っている、など。販売地域を絞った場合は対応言語の説明文も整える必要があります。
最初から「日本+台湾+タイ」のように地域を広げると、各言語で説明文を整える手間が増えます。最初は日本のみで申請して、売れ行きを見てから対応地域を広げる、というのがリスクが低い進め方です。
10. プレビューの一貫性
40個のスタンプを並べたときに、画風・線の太さ・彩度がバラバラだと「商品としての完成度」を理由にリジェクトされることがあります。1日でまとめて描かず、何日かに分けて作ったスタンプセットでこの傾向が出ます。
完成後に40枚を縮小一覧で並べて見ると、自分の絵の癖の変化に気づきます。線の太さがブレていたら、太さ揃えだけ最後に一括修正するだけでも仕上がりが大きく変わります。
リジェクトを減らす事前チェック表
申請ボタンを押す前に、この6項目をチェックしてください。
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| サイズ | メイン240×240、トーク370×320、タブ96×74 |
| 透過 | 背景が透明(PNG-24で書き出し) |
| 余白 | 外周10px以上空いている |
| キャラ | メインとスタンプ40枚で同一人物に見える |
| 文字 | タイトルに「LINE」「公式」の語がない |
| 規約 | 既存キャラ・実在人物を連想させない |
このチェックリストを潰しておくだけで、初回審査の通過率が大きく上がります。
再申請のときのコツ
リジェクトメールには違反項目が書かれています。これに該当する箇所だけを直して再申請するのが基本。関係ない部分まで直すと、追加で別の不備が見つかってさらに往復することになります。
差分を最小化する、と覚えておけば再申請はスムーズ。
注意したいのは、同じ違反で何度もリジェクトされるとクリエイターアカウントの審査が厳しくなる傾向があること。「直したつもりで直っていない」が続くなら、一度プレビューを出力して家族や知人に見てもらうのも手です。自分では気づかないキャラの非対称や色のばらつきを指摘してもらえます。
AI生成スタンプの追加ルール
2024年以降、AI生成画像によるスタンプ申請が増えたことを受け、LINE Creators Marketは申請時に「AI生成かどうか」のチェックを必須化しました。AI生成のスタンプを「自作」と申告して申請するとガイドライン違反になります。
学習データに第三者の作品が含まれている可能性があるため、AI生成スタンプの審査は通常より厳しめになる傾向があります。プロンプトを保存しておく・参考画像を残しておくなど、後で問い合わせがきても答えられる状態にしておくのが安全です(経済産業省 AI事業者ガイドライン、2024年、https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/ai_shakai_jisso/20240419_report.html)。
商用利用OKを謳う生成ツールでも、最終的な責任はクリエイター本人が負う点は変わりません。
✅ 今すぐできること(1分)
書き出し済みのスタンプ画像を1枚開いて、Photoshopなら「カンバスサイズ」、プレビューなら「インスペクタ」でサイズを確認してください。240×240や370×320から1pxでもズレていたら、そこが落ちる原因の最有力候補です。
そして、書き出し直すときに必ず「透明部分を保持」のチェックを入れてください。それだけでリジェクト3割は減ります。
スタンプ管理用のチェックシート、AI画像生成と申請の進捗ツール、複数アカウントの審査履歴管理ツールなどのご相談もお気軽に。お問い合わせは /contact から。
執筆:S
よくある質問
Q. LINEスタンプの審査でリジェクトされた場合、修正して再申請できますか?
A. できます。リジェクト理由が通知されるので、その内容に合わせて修正してから再申請します。同じ修正ミスを繰り返すと審査が厳しくなる場合があるため、指摘は一度で確実に対応しましょう。
Q. LINEスタンプ審査にかかる時間はどのくらいですか?
A. 通常1〜2週間が目安ですが、混雑状況によって変わります。申請後のステータスはLINE Creators Marketのマイページで確認できます。
Q. 背景が透過されていないとリジェクトされますか?
A. 透過が必須のスタンプ形式では必ずNGになります。PNGファイルで保存し、背景が透明(チェック柄表示)になっているか確認してから申請しましょう。