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6つのAIを切り替えるたびに画面を移動して、また別のウィンドウを開いて——そういう作業に疲れを感じているなら、その感覚は正しい。AIが増えるほど「どれで聞けばいいか」の判断コストが積み上がるのが今のAI活用の現実だ。
天秤AI Biz byGMOは、ChatGPT・Claude・Geminiをはじめとする複数のAIを1つの画面に集約し、同時に比較・実行できる法人向けAIハブだ。GMOインターネットグループが2023年から提供し、2026年7月時点では38種類以上のAIモデルに対応している。この記事では、天秤AI Bizの機能・料金・使い方を一次情報(公式サイト・プレスリリース)をもとに整理する。
天秤AI Bizとは何か。一言で言えば「AIのコントロールパネル」
天秤AI Biz byGMOは、GMO天秤AI株式会社が提供する法人向け生成AIプラットフォームだ。最大の特徴は、1つのプロンプトで最大6つのAIが同時に回答を生成し、並べて比較できる点にある。
個人向けの無料版「天秤AI byGMO」もあるが、Bizは以下の点が異なる。
- 組織単位でのユーザー管理・権限設定
- IPアドレス制限・多要素認証・監査ログなどのセキュリティ機能
- 利用状況ダッシュボード(誰がどのAIを使ったか把握できる)
- 38種類以上のAIモデルへのアクセス
- プロンプトテンプレート共有機能
対応AIモデル一覧(2026年7月時点)
天秤AI Bizが対応するAIモデルは38種類以上(GMOインターネットグループ発表・2026年1月6日)。主要な提供元は以下の通り。
| 提供元 | 傾向 |
|---|---|
| OpenAI | ChatGPT系の複数モデル(標準モデル・軽量モデル・推論特化モデルなど) |
| Anthropic | Claude系の複数モデル(最新のSonnet・Opusシリーズなど) |
| Gemini系の複数モデル(Flash・Proなど用途別ラインナップ) | |
| その他 | DeepSeek・PLaMo・Perplexity AIなど |
搭載モデルは随時追加・廃止される。実際、Claude 3.5 Haiku・Claude 3.7 Sonnetは提供元側のモデル廃止にあわせて2026年2月17日に提供終了となった(出典:天秤AI byGMO サポートページ)。実際に選べるモデルはログイン後の一覧で確認するのが確実だ。多様なモデルを1画面で試せる点が、天秤AIの本質的な価値と言える。
主な機能:5つのポイント
1. 最大6AI同時比較チャット
テキストプロンプトを1回入力すると、選択した最大6モデルが並列で回答を生成する。「回答の精度」だけでなく「表現のトーン」「情報の深さ」「回答速度」の違いも体感でき、抜け漏れへの気づきや精度の高い回答の選択につながる。
2. 天秤ジャッジ機能(2026年1月29日リリース)
6つのAIが出した回答を、別のAIが自動でレビュー・統合・判定する機能だ。全体サマリー・共通点とコンセンサス・相違点や分岐パターン・抜けている視点(Gaps)・統合結論など、8つの観点から複数AIの回答を整理する。
GMOの発表では、この機能により比較・統合作業の所要時間が従来の10分の1(約115秒)に短縮されたという(出典:GMOグループ プレスリリース2026年1月29日)。議事整理や企画立案の場面で実感しやすい。
3. Deep Research
AIが自律的に複数の情報源を探索・分析し、出典付きレポートを生成する機能。競合調査・市場リサーチ・業界動向の把握に活用される。
画像生成・Deep Researchは期間限定で無料提供されていたが、2026年3月31日で無料期間が終了し4月1日以降は有料機能となった。ただし同時期に始まったスタンダードプラン(後述)には、Deep Research月1,000回・画像生成月1,000回(ユーザーあたり)が定額の範囲に含まれている。
4. 画像生成AI同時比較
最大3つの画像生成AIモデルに同じプロンプトを投げ、生成結果を並べて比較できる機能。SNS投稿用ビジュアルや広告クリエイティブの方向性を探る際に使われる(出典:GMOグループ プレスリリース2026年1月6日)。
5. 組織向けセキュリティ・管理機能
法人利用で重要なのが以下のセキュリティ機能だ(出典:天秤AI Biz https://biz-lp.tenbin.ai/security/)。
- IPアドレス制限:社外ネットワークからのアクセスをブロック
- 多要素認証(MFA):パスワード漏えいによる不正ログインを防止
- 監査ログ:「誰が・いつ・何を質問したか」の記録
- ロールベースアクセス制御(RBAC):ユーザーごとに使える機能を制限
- 利用状況ダッシュボード:チーム全体のAI利用状況を可視化
料金プラン(2026年7月時点)
2026年4月2日より、サブスクリプション型「スタンダードプラン」が新たに追加された。
| プラン | 月額(税込) | 年額(税込) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| スタンダードプラン | 1,900円/ユーザー | 16,800円/ユーザー(月換算約1,400円) | 標準AIモデルが定額・回数制限なし。画像生成/Deep Research各1,000回・専門モデル50回が月ごとの上限付きで利用可 |
| 従来の従量プラン(Bizプラン) | 基本料1,100円/ID+従量課金 | — | 従量単価は1,000文字あたり5.5円〜。使用量に応じた課金 |
年払いは月払いより年間約6,000円安い。標準モデルのチャットは回数無制限だが、画像生成・Deep Research・専門モデルには月間の利用上限がある。
新規登録から14日間は無料で試用できる。請求対象のライセンス数は「利用中ユーザー数+招待中ユーザー数」の合計で計算される(招待メール送信時点でカウントが始まる)。出典:天秤AI Biz料金プランページ(https://biz-lp.tenbin.ai/pricing/)・GMOインターネットグループ プレスリリース2026年4月2日。
実際の使い方:3ステップ
ステップ1:使うAIモデルを選ぶ
ログイン後、チャット画面から比較したいAIモデルを選択する。最大6つまで選べる。用途に応じた組み合わせ例は次の通り(実際に選べるモデルは都度ログイン後の一覧で確認する)。
- 文章作成・ライティング:Claudeの最新Sonnetモデル + ChatGPTの標準モデル + Geminiの上位Proモデル
- 情報収集・リサーチ:Perplexity AI + Geminiの高速モデル + ChatGPTの標準モデル
- アイデア出し・ブレスト:Claudeの最上位モデル + ChatGPTの標準モデル + DeepSeek系モデル
ステップ2:プロンプトを入力する
1回の入力で全AIに同じ質問が送られる。「役割・条件・出力形式」を明示すると比較の精度が上がる。
プロンプト例(メール文面作成の場合):
あなたは法人営業担当者です。以下の条件でアポイント依頼メールを作成してください。
- 宛先:IT部門の担当者
- 目的:新しいAI活用支援サービスの紹介
- トーン:丁寧だが簡潔(300字以内)
- 結語にCTAを1つ入れるステップ3:天秤ジャッジで回答を統合する
複数の回答が並んだら「ジャッジ」ボタンを押す。AIが共通点・差異・推奨要素をまとめてくれるので、これをたたき台に文章を仕上げればいい。
向いている人・向いていない人
複数のAIを行き来している人には、切り替えコストの削減だけでも価値がある。1つのAIを深掘りする使い方が中心の人には恩恵が薄い。
向いている人:ChatGPT・Claude・Geminiを使い分けているが管理が煩雑/チームでAIを導入したいがセキュリティが心配/企画・文章の叩き台を素早く複数出したい/どのAIが業務に合うか試したい
向いていない人:1つのAIを深く使いこなすことに集中したい/テキストチャット以外(音声・動画生成など)がメインの用途
関連記事:ChatGPT・Claude・Geminiの使い分け2026|目的別にどれを選ぶか
天秤AI Bizを試す前に確認すること
無料トライアル(14日間)があるため、まずは無料登録で操作感を確かめるのが確実だ。料金は「招待メールを送った時点から」発生するため、試用中にメンバーを大量招待する場合は注意したい。毎日複数回AIを使う場合はスタンダードプランの定額が向く。
最新AI活用の動向は2026年6月の最新AIアップデート総まとめ|仕事・転職・学習への活かし方も参考にしてほしい。
まとめ
✅ 今すぐできること(1分)
天秤AI Bizの公式サイト(https://biz-lp.tenbin.ai/)にアクセスして、14日間の無料トライアルを確認してみてください。登録完了まで最短数分で、すぐに複数AIの比較体験ができます。
天秤AI Biz byGMOは、複数AIの「比較・管理・統合」をワンストップでこなすツールだ。個別のAIサービスを複数契約して管理する手間と比べると、チームでのAI活用を標準化するコストが大きく下がる。「どのAIが一番いいか」という問いへの答えは用途によって変わる。その答えを毎回探す手間をなくすのが、天秤AI Bizの本質的な価値だ。
よくある質問
Q. 天秤AI Bizと個人向け天秤AIの違いは何ですか?
A. 個人向け「天秤AI byGMO」は無料・個人利用向けで機能に制限がある。Bizは組織単位でのユーザー管理・IPアドレス制限・監査ログ・利用状況ダッシュボードなどの法人向け機能が加わり、対応AIモデルも38種類以上に拡張されている。
Q. 無料トライアルはありますか?クレジットカードは必要ですか?
A. 新規登録から14日間の無料試用期間がある。詳細な登録要件は公式サイト(https://biz-lp.tenbin.ai/)で確認してほしい。
Q. 1人でも使えますか?それとも複数人必要ですか?
A. 1ユーザーから利用可能だ。ただし組織管理・チーム共有機能などはチームで使うほど恩恵が大きい。
Q. AIに入力した情報は学習に使われますか?
A. セキュリティページ(https://biz-lp.tenbin.ai/security/)に方針が記載されている。機密情報を扱う場合は、利用前に必ず公式サイトの利用規約・プライバシーポリシーを確認すること。
Q. スタンダードプランと従量プランはどちらを選べばいいですか?
A. 毎日複数回AIを利用する場合はスタンダードプラン(月1,900円・税込)が定額で安定する。利用頻度が低い場合は従量プラン(基本料1,100円+1,000文字あたり5.5円〜)が割安になる可能性がある。14日間のトライアル期間中に使用量を計測してから判断するのが現実的だ。
著者:S