2026年5月分から再生可能エネルギー発電促進賦課金が1kWhあたり4.18円と過去最高になり、電気代がさらに上がっている。エアコンをフル稼働させる夏が来る前に、電気の使用量を「見える化」する節電アプリで、どこを削れるかを把握しておきたい。
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- 電気代が上がっている理由の分解
- 節電アプリの選び方と使い方
- 今すぐできること(1分)
なぜ今年の夏は電気代が高くなるのか
2026年5月の電気代が上がった理由は、1つではなく複数が重なっている。
1つは再エネ賦課金の引き上げだ。再生可能エネルギーの普及費用として全世帯が負担するもので、2026年5月分から1kWhあたり4.18円と制度史上最高値になった。もう1つは、国による電気・ガス料金の負担軽減支援が一区切りついたことだ。これまで補助で抑えられていた分が、請求額に反映されやすくなっている。
政府は2026年7〜9月について、夏の電気・ガス料金を抑える支援策を指示したと報じられているが、正式な単価や期間は補正予算の成立後に発表される見込みだ。つまり「支援を待つ」だけでは、今いくら使っているかは把握できない。まず自宅の使用量を見える化することが先決になる。
出典:経済産業省・各電力会社の料金改定情報(2026年5月)/Googleトレンド急上昇(2026年5月29日取得)
節電は「見える化」から始まる
電気代を下げようとするとき、多くの人がいきなり「エアコンを我慢する」に向かう。だが、家のどこで電気を使っているかを知らないまま我慢しても、効果は読めず、ストレスだけが残る。
順番が逆だ。まず使用量を見える化し、「どの家電がどれだけ使っているか」を把握する。そのうえで、効果の大きいところから手を打つ。これが遠回りに見えて一番効く。
見える化の方法は、大きく3つある。電力会社のマイページ・アプリ、スマホの家計簿アプリとの連携、そして専用の電力モニター機器だ。
節電アプリ・サービスの比較
| 方法 | 費用 | わかること | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 電力会社の公式アプリ | 無料 | 月別・日別・30分ごとの使用量 | まず現状を知りたい全員 |
| 家計簿アプリ連携 | 無料〜 | 電気代を他の固定費とまとめて把握 | 家計全体を整理したい人 |
| スマートプラグ+アプリ | 数千円 | 家電ごとの消費電力 | どの家電が高いか特定したい人 |
| HEMS・電力モニター | 数万円〜 | 家全体をリアルタイム計測 | 本格的に管理したい持ち家層 |
まずは無料でできる電力会社の公式アプリから始めるのが現実的だ。多くの電力会社が、30分ごとの使用量グラフをアプリで提供している。グラフを見るだけで「夜のこの時間に跳ね上がっている」といったクセが見えてくる。
家電ごとの消費を知りたくなったら、数千円のスマートプラグを足す。コンセントとの間に挟むだけで、その家電の消費電力をアプリで確認できる。エアコンや冷蔵庫など「常に動いている家電」の実態がわかると、対策の優先順位がはっきりする。
見える化の後にやる具体的な節電
使用量が見えたら、効果の大きい順に手を打つ。夏の電気代で最も比重が大きいのはエアコンだ。
設定温度は28度を目安にしつつ、体感はサーキュレーターや扇風機との併用で補う。空気を循環させると、設定温度を上げても涼しく感じやすい。フィルター掃除も効果が大きく、目詰まりしたフィルターのまま使うと余分な電力を消費する。
冷蔵庫は詰め込みすぎを避け、設定を「強」から「中」に下げるだけでも変わる。待機電力も侮れない。使っていない家電のコンセントを抜く、または節電タップでまとめてオフにすると、積み重ねで差が出る。
こうした固定費の削り方を家計全体で見直すなら、家計見直しチェックリスト 固定費の優先順位が手順の整理に役立つ。電力会社そのものの乗り換えを検討するなら、電力比較サイトで電気代を下げる方法も合わせて確認したい。
家電別の電気代の目安を知る
どこを削れば効くのかを判断するには、家電ごとのおおよその消費イメージを持っておくと早い。夏の家庭で電気代の比重が大きいのは、エアコン・冷蔵庫・給湯・照明だ。
| 家電 | 夏の電気代に占める比重の傾向 | 効きやすい対策 |
|---|---|---|
| エアコン | 最も大きい | 設定温度・フィルター掃除・送風併用 |
| 冷蔵庫 | 常時稼働で大きい | 詰め込みすぎない・設定を中に |
| 給湯(電気) | 大きめ | 使う時間帯の見直し |
| テレビ・照明 | 中程度 | LED化・こまめな消灯 |
| 待機電力 | 小さいが積み重なる | 節電タップでまとめてオフ |
この比重を知ったうえで、自宅のアプリのグラフを見ると「やっぱりエアコンが効いている時間に跳ねている」といった発見がある。感覚ではなく数字で確認できると、対策に納得感が生まれ、続けやすくなる。
電力会社のアプリでできること
無料の公式アプリは、見える化の入り口としてよくできている。多くのアプリで次のことが確認できる。
30分ごとの使用量グラフでは、1日のなかでいつ電気を多く使っているかがわかる。これを見ると、就寝中も動いている家電や、帰宅後に一気に増える時間帯が見えてくる。前年同月との比較機能があるアプリなら、「去年よりどれだけ増えたか」を把握でき、節電の目標設定に使える。
料金のシミュレーション機能を備えたアプリもある。今のペースで使い続けると月末いくらになるかを予測してくれるため、月の途中で「使いすぎ」に気づける。請求が来てから慌てるのではなく、先回りして調整できるのが見える化の強みだ。
ログインのひと手間で、これらがすべて無料で使える。まだアプリを入れていないなら、それだけで節電の精度が一段上がる。
今すぐできること(1分)
契約している電力会社のマイページ(またはアプリ)にログインし、直近1か月の使用量グラフを開く。前年同月と比べて、どれくらい増えているかを確認する。
ログイン情報がわからない場合は、検針票や電気料金の通知メールに記載された「お客さま番号」を控えておく。これがあれば、アプリの登録は数分で済む。現状の数字を見ることが、節電の最初の一歩になる。
よくある質問
Q. 再エネ賦課金は自分で減らせますか?
A. 賦課金の単価自体は国が定めるもので、個人が下げることはできません。減らせるのは「使用量(kWh)」です。賦課金は使った電力量に応じてかかるため、使用量を減らせば賦課金の負担も比例して下がります。だからこそ見える化と節電が効きます。
Q. 節電アプリは本当に効果がありますか?
A. アプリ自体が電気を減らすわけではありませんが、「いつ・どれだけ使っているか」が見えると行動が変わります。たとえば夜間の使用が多いとわかれば、その時間帯の家電の使い方を見直せます。現状把握こそが節電の出発点です。
Q. スマートプラグは電気工事が必要ですか?
A. 不要です。コンセントとプラグの間に挟むだけで使えるものがほとんどで、設定もスマホアプリで完結します。エアコンなど消費電力の大きい家電に対応しているか、定格容量だけは購入前に確認してください。
Q. 政府の夏の支援策を待ってから対策すべきですか?
A. 支援策は請求額の一部を抑えるものですが、正式な単価や期間は補正予算の成立後に発表される見込みです。支援の有無にかかわらず、使用量を減らす対策は確実に効きます。待たずに見える化と節電を始めるのが得策です。
Q. オール電化の家でも同じ方法で下げられますか?
A. 基本的な考え方は同じです。オール電化は給湯(エコキュート等)の比重が大きいため、見える化したうえで、お湯を沸かす時間帯や設定を見直すと効果が出やすいです。深夜電力が安いプランなら、使う時間帯のシフトも有効です。
電気代は、我慢の前に「見える化」から入ると、無理なく続けられる対策が見つかる。賦課金の上昇は止められなくても、使う量はコントロールできる。夏本番が来る前に、自宅の使用量グラフを一度開いてみてほしい。
著者:S