副業を始めると必ず出てくるのが確定申告の話だ。「20万円までは申告不要らしい」「青色って大変そう」「freeeとマネーフォワード、どっち?」と、入口で混乱する人は多い。
税の話は1人で全部抱えると重い。最初に大枠を整理しておけば、毎年の申告は会計ソフトと数時間で片付く作業になる。
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- 20万円ルールの正しい理解
- 青色と白色の違い
- 今すぐできること
20万円ルールは「住民税は別」
「副業収入が20万円以下なら申告不要」とよく言われるが、これは半分だけ正しい。
正確には、所得税の確定申告が不要になる条件が「給与以外の所得が20万円以下」というものだ。国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」(国税庁、2024年度・https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/02.htm )に明記されている。
ここで盲点なのが住民税だ。住民税には20万円ルールがなく、副業収入があれば原則として申告が必要になる。市区町村への住民税申告だけは別途行うのが正しい運用だ。
「20万円以下だから何もしなくていい」と覚えると、住民税申告漏れのリスクが残る。所得税は申告不要・住民税は申告必要、と覚えておきたい。
「収入」と「所得」を間違えない
20万円の判定で見るのは「所得」だ。
たとえばクラウドソーシングで30万円振り込まれても、PC・通信費・書籍などの必要経費が15万円あれば、所得は15万円になり所得税の申告不要ラインに収まる。
経費にできるのは「副業の収入を得るために使った費用」だ。家賃や電気代も、副業に使った割合分(家事按分)だけ経費に入れられる。
青色と白色の違い
申告のタイプには白色申告と青色申告がある。副業を続けるなら早めに青色を選ぶ価値が大きい。
| 観点 | 白色申告 | 青色申告 |
|---|---|---|
| 開業届 | 不要 | 必要 |
| 青色申告承認申請書 | 不要 | 必要(事業開始から2か月以内) |
| 帳簿 | 簡易(収支内訳) | 複式簿記または簡易簿記 |
| 控除 | なし | 最大65万円控除 |
| 赤字繰越 | できない | 3年間繰越可能 |
| 家族への給料 | 経費にできない | 専従者給与として経費可 |
青色申告には「事業所得」として扱える前提が必要だ。副業がアルバイト的な単発収入だけだと「雑所得」になり、青色申告のメリットを使えないケースがある。
国税庁「雑所得の範囲の取扱い」(国税庁、2022年改正・https://www.nta.go.jp/ )では、副業の年間収入が300万円を超えるかどうか、帳簿書類を保存しているかなどが事業所得かどうかの判断材料とされている。最初は雑所得で白色、軌道に乗ったら開業届と青色申請、という順序が現実的だ。
会計ソフトはfreeeかマネーフォワードか
副業の経理を手作業でやると挫折する。最初から会計ソフトに入れておくのが安全だ。代表的な2サービスを並べる。
| 観点 | freee会計 | マネーフォワードクラウド確定申告 |
|---|---|---|
| 料金(個人) | 月1180円〜 | 月1078円〜 |
| 入力スタイル | 質問に答えて記入する設計 | 仕訳を画面に直接入れる設計 |
| 簿記知識 | なくても進めやすい | あったほうが速い |
| 銀行・カード連携 | 強い | 強い |
| 確定申告書出力 | 対応 | 対応 |
| 向いている人 | 初めての人・簿記が苦手な人 | 簿記の基礎がある人 |
freeeは「簿記を意識せずに進められる」設計、マネーフォワードは「簿記の概念を残したまま効率化する」設計だ。
簿記3級の知識があるならマネーフォワード、まったくない状態ならfreeeが入りやすい。料金差は小さいので、両方の無料お試しを使ってから決めるのが結局早い。
経費にできるもの・できないもの
| カテゴリ | 経費にできる例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 通信費 | スマホ・自宅のネット | 副業で使った割合のみ |
| 消耗品費 | PC周辺機器・文房具 | 10万円超は固定資産扱い |
| 書籍代 | 副業に関連する書籍 | プライベート用は不可 |
| 交通費 | 取材・打ち合わせの移動 | 領収書または記録が必要 |
| 家賃 | 自宅の作業スペース分 | 業務使用面積の割合で按分 |
| 電気代 | 作業に使った分 | 同上 |
| サブスク | 業務用ツール(Adobe・Notion等) | プライベート用と分けて契約が理想 |
家事按分の比率はあとで税務署に説明できる根拠(時間・面積など)を残しておくと安心だ。
■ ネット代(月7000円)
自宅作業に使う割合:50%(副業4時間/平均8時間使用)
経費計上額:3500円
■ 家賃(月9万円)
作業スペースの面積比:1部屋6畳/全体30畳 ≒ 20%
経費計上額:18000円提出のタイミングと方法
確定申告の期間は毎年2月16日〜3月15日だ。e-Tax(https://www.e-tax.nta.go.jp/ )で電子申告すると青色申告特別控除の上限65万円を取れるが、紙提出だと55万円になる。マイナンバーカードがあるならe-Taxが有利だ。
副業所得が増えてきたら、税理士への相談も視野に入る。年間所得が100万円を超え始めたら、初回無料相談で一度顔を出してみるのが安心になる。
ChatGPTで経費の按分根拠を整理する
家事按分の根拠を整理するのは、AIの補助が効きやすい領域だ。
あなたは個人事業主の経理に詳しいアドバイザーです。
以下の支出について、副業の必要経費として按分する場合の妥当な比率と、税務署に説明できる根拠の書き方を提案してください。
【支出項目と総額】
・ネット代:月○○円
・電気代:月○○円
・家賃 :月○○円
【副業の作業時間】
平日:○時間/日、休日:○時間/日
【副業の作業場所】
自宅の○○の部屋(広さ:○畳/全体:○畳)
条件:
- 按分の根拠(時間・面積など)を明示する
- 計算過程を含めて提示する
- 税務上の判断は最終的に税理士に確認する前提であることを明記する提案された按分比率はあくまで参考であり、最終的な判断は税理士または税務署で確認したほうが安全だ。
注意:本記事は一般情報
税制は毎年改正される。本記事は2026年5月時点の制度を参考にした一般的な解説で、個別の判断は最新の国税庁情報および税理士への相談を前提にしてください。
✅ 今すぐできること(1分)
スマホのメモ帳を開いて、副業を始めた日(または始める予定の日)と、その月から払っている通信費・サブスクの金額を3つだけ書き出してください。これが将来「経費の按分」を考えるときの基礎データになります。何も記録しないまま3か月過ぎると、確定申告のときに思い出せず取りこぼします。
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執筆:S
よくある質問
Q. 副業の確定申告で青色申告と白色申告、どちらを選べばいいですか?
A. 事前に税務署へ青色申告の届出が必要ですが、最大65万円の特別控除が受けられる青色申告がお得です。副業を本格化させるつもりなら早めに届出を済ませましょう。
Q. 副業の経費として計上できるものの具体例を教えてください。
A. 副業に直接使った通信費・書籍代・交通費・パソコン購入費(按分可)などが対象です。「副業のために使った」という実態と証拠(領収書)が必要で、プライベートとの混在分は按分計算が必要です。
Q. freeeとマネーフォワードで確定申告するとき、初心者にはどちらが使いやすいですか?
A. freeeは質問に答えるだけで申告書が完成するウィザード形式で初心者に使いやすいです。マネーフォワードは会計知識がある人が効率よく使えます。どちらも無料お試し期間があります。