マネーフォワードクラウド会計は、個人事業主が帳簿入力から確定申告書の作成まで一気通貫で完結できるクラウド会計ソフトです。銀行口座やクレジットカードの明細を自動取得し、仕訳の手入力をぐっと減らせます。
⏩ 急いでいる方はこちら
- 銀行口座・カードの連携手順
- 領収書スキャンの使い方
- 青色申告65万円控除を受ける流れ
- freee・やよいとの料金比較表
マネーフォワードクラウド会計でできること
個人事業主が帳簿をつけるとき、もっとも手間がかかるのが「いつ・何に・いくら使ったか」の記録を毎月コツコツ入力し続ける作業です。それが続かなくて、年末ギリギリに1年分の領収書と格闘することになる、という話はよく耳にします。
マネーフォワードクラウド会計が解決するのは、まさにこの「記録する手間」です。主な機能は以下のとおり。
- 銀行口座・クレジットカードの自動明細取得
- 領収書・レシートのスマホ撮影→自動読み取り(OCR)
- 仕訳の自動提案と学習機能
- 青色申告決算書・確定申告書B(第一表・第二表)の自動作成
- e-Tax への電子申告連携
ただ、「全部自動」とはいかないのが正直なところで、仕訳の科目判定が違うことは普通にあります。そこは手動で修正する必要があるので、多少の簿記の知識があると作業がスムーズです。
プランと料金(2026年5月時点)
マネーフォワードクラウド確定申告のプランは大きく3つ。個人事業主向けのパーソナルシリーズが中心です。
| プラン | 月額(年払い) | 口座連携数 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| パーソナルミニ | 880円 | 2件 | 副業・小規模 |
| パーソナル | 1,430円 | 無制限 | 個人事業主全般 |
| パーソナルプラス | 3,316円 | 無制限 | 複数事業・法人化準備 |
月払いにすると割高になるので、年払いが基本です。無料トライアル期間(30日)を活用して、操作感を確かめてから契約するのが定番のやり方です。
銀行口座・クレジットカードの連携手順
連携作業はそれほど難しくありませんが、金融機関ごとに手順が微妙に違います。大手銀行(みずほ・三菱UFJ・ゆうちょ等)は対応済みで、楽天カード・三井住友カードなど主要クレジットカードも連携できます。
- 1ダッシュボード左メニューから「自動取込」→「金融機関を追加」を選ぶ
- 2金融機関名を検索し、ネットバンキングのIDとパスワードを入力する
- 3連携が完了すると、過去の明細(最大1〜3年)が自動で取り込まれる
- 4取り込まれた明細が「未処理」タブに並ぶので、仕訳を確認・承認する
注意点として、証券口座や一部の地方銀行は連携できないことがあります。また、2段階認証が必要な金融機関は定期的に再認証が必要になるので、ときどき「連携エラー」が出ていないか確認する習慣をつけておくといいです。
領収書・レシートの読み取り(スマホアプリ)
外出先でもらったレシートや、立替払いの領収書は、マネーフォワードクラウドのスマホアプリで撮影するだけでOCRが走ります。
- 1アプリを起動し「レシート撮影」をタップ
- 2カメラでレシートを撮影(四隅が見切れないように注意)
- 3読み取り結果(日付・金額・店名)を確認し、科目を選択する
- 4保存するとWebの管理画面とリアルタイムで同期される
読み取り精度はかなり上がっていますが、手書きの領収書やインク薄めのレシートは誤読することがあります。そのときは金額だけでも手修正すれば問題なし。撮影した画像は証憑として保存されるので、紙の原本を別に保管しておく必要もありません(電子帳簿保存法対応)。
仕訳の修正と科目設定
自動取り込みされた明細は、マネーフォワードが「この支出はおそらく○○費」と仕訳を提案してくれます。ただし、あくまで過去の学習に基づく推定なので、最初のうちは必ず確認が必要です。
修正の手順はシンプルで、「未処理」タブの明細をクリック→科目・補助科目・摘要を修正→「登録」で完了です。同じ取引先からの支出を毎回同じ科目にしたい場合は「登録ルール」を設定しておくと、次回から自動で振り分けられます。
とはいえ、「この経費は事業分と家事分が混ざっている」という家事按分のケースは要注意です。電気代・スマホ代・自宅の家賃など、事業使用割合で按分が必要な項目は、登録ルールで金額を自動分割する設定が使えます。
青色申告65万円控除を受けるための設定
個人事業主が青色申告65万円控除(電子申告の場合)を受けるには、複式簿記での記帳が条件です。マネーフォワードクラウド会計は複式簿記に対応しているので、正しく設定すれば控除を受ける要件は満たせます。
設定で確認すべきポイントは3つ。
まず、事業設定で「青色申告」を選択していること。次に、期首残高の設定が正しいこと(前年の繰越残高や資産・負債をきちんと入力する)。最後に、決算書の作成前に「試算表」を見て、売上・費用の金額が帳簿と一致しているか確認することです。
決算書は「確定申告」メニューから「青色申告決算書を作成」を選ぶと、記帳済みの仕訳を元に自動で作成されます。医療費控除や雑損控除など、帳簿と切り離して入力する控除は別途「申告書B」の画面で追記する必要があります。
e-Taxでの電子申告の流れ
マネーフォワードクラウドはe-Taxとの連携機能を持っており、申告書を作成したあとソフト内からそのまま電子申告できます(マイナンバーカードまたはID・パスワード方式が必要)。
- 1「確定申告書を作成」→内容を確認・修正する
- 2「e-Taxで申告する」を選択し、マイナンバーカードのICチップ読み取りまたはIDとパスワードを入力する
- 3送信完了後、受付結果(受信通知)を保存する
e-Tax経由での申告が65万円控除の条件の一つなので、紙での提出では55万円控除にとどまります。電子申告の設定が少し面倒に感じるかもしれませんが、一度セットアップしてしまえば翌年以降はスムーズです。
他サービスとの比較
| 項目 | マネーフォワードクラウド | freee会計 | やよいの青色申告 |
|---|---|---|---|
| 月額(年払い・スタンダード) | 1,430円 | 1,480円 | 1,000円〜 |
| 銀行・カード自動連携 | 無制限 | 無制限 | 対応あり |
| スマホアプリ | あり | あり | あり |
| e-Tax連携 | あり | あり | あり |
| 複式簿記の入力しやすさ | 経験者向き | 初心者向き | 中間 |
| インターフェースの特徴 | 勘定科目がわかる人向け | 質問形式で入力を誘導 | デスクトップ版も強い |
| サポート | チャット・メール | チャット・電話 | チャット・電話 |
freeeは「借方・貸方」を意識せずに入力できる設計で、簿記の知識がない人でも取っつきやすいです。一方、マネーフォワードは科目を自分で選ぶ設計なので、複式簿記の基本がわかっている人のほうが効率よく使えます。
やよいは老舗で税理士事務所との連携が多く、法人化を見越してそのまま「やよいの青色申告」から「弥生会計」に移行できるのが強みです。
✅ 今すぐできること(1分)
マネーフォワードクラウド会計の公式ページ(moneyforward.com/cf/)を開き、「無料で試す」から30日トライアルを申し込んでみてください。クレジットカード登録なしで始められるプランもあります。まず銀行口座1件だけ連携して、明細が自動取り込みされる状態を確認するだけでOKです。使い勝手が肌に合うかどうかは、実際に触ってみないとわからないので。
よくある質問
Q. 無料プランでも確定申告書は作れますか?
A. 無料プランは機能が限定されており、青色申告書の作成は有料プランが必要です。ただし30日間の無料トライアル期間中は有料機能を試せるので、試算書や決算書の作成まで体験できます。
Q. 途中からマネーフォワードに乗り換えることはできますか?
A. 年度の途中から乗り換えることも可能ですが、前の帳簿ソフトで入力済みのデータをCSV等でインポートするか、手入力で期首残高を合わせる作業が必要です。年度末・年度始めに切り替えるのが最もシンプルです。
Q. 副業(雑所得)の管理にも使えますか?
A. 副業収入が「雑所得」に区分される場合でも、収支の管理ツールとして使えます。ただし、雑所得のみであれば複式簿記の義務はなく、簡易的な収支内訳書で申告できるため、無料の家計管理ツールでも対応できるケースがほとんどです。
Q. 電子帳簿保存法に対応していますか?
A. 対応しています。スマホアプリで撮影した領収書画像は、電子帳簿保存法のスキャナ保存要件を満たす形式で保存されます。紙の原本を破棄するにはタイムスタンプ付与など追加の要件がある場合もあるため、詳細は国税庁の公式ページで確認してください。
Q. 税理士に依頼している場合でも使えますか?
A. 使えます。マネーフォワードクラウド会計には「顧問税理士との共有」機能があり、税理士に閲覧・編集権限を付与できます。自分で入力した帳簿を税理士がチェックする運用にすれば、顧問料を抑えながらプロの確認を受けることができます。
まとめ
マネーフォワードクラウド会計は、銀行口座の自動連携で入力の手間を大幅に減らし、青色申告65万円控除まで一気に対応できるクラウド会計ソフトです。
操作に慣れるまでは「この経費は何科目?」と迷う場面もありますが、基本的な科目(消耗品費・通信費・交通費・外注費など)を押さえておけば、日々の入力はそれほど難しくありません。簿記の勉強と並行して使うと、知識が実務と結びついて理解が深まりやすいです。
著者:S
ITサポート職として勤務しながら、家計管理・副業・資格学習に関する情報を発信しています。専門家ではなく実務経験をもとにした情報提供を旨としており、税務・法律に関わる判断については税理士・行政書士等の専門家にご相談ください。記事内の料金・サービス仕様は2026年5月時点の情報に基づくもので、変更される場合があります。