実質賃金4年連続マイナス。家計を守るには固定費から見直すしかない。削る順番を間違えると効果が出ない。
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- 固定費削減の優先順位5項目と節約額目安をすぐ確認したい方は「固定費削減の優先順位」へ
- 何から始めるかだけ知りたい方は「今すぐできること(1分)」へ
- 家計アプリでの支出の見える化を知りたい方は「マネーフォワードMEで支出を可視化する」へ
給与が増えない、でも物価は上がり続ける
厚生労働省が2026年5月に発表した「毎月勤労統計調査」によると、2025年度の実質賃金は前年比でマイナス。名目の賃上げ率はおよそ0.9%前後を記録したが、物価上昇率が1.4%前後で上回り、実質的な購買力は4年連続で下がり続けている。
数字で見るとわかりにくいが、体感としてはもっとわかりやすい。スーパーで同じ商品を買ってもレジの数字が違う。電気代の明細を見て「え、また?」と思う。交通費も上がっている。一方で毎月の振込額はほぼ変わらない。
「何から手をつけていいかわからない」という声をよく聞く。節約しようと思って食費を削り始める人も多いが、実はそれは最後でいい。先に削るべきものが他にある。
Googleトレンド急上昇(2026年5月27日取得)でも「家計 固定費」「実質賃金 節約」「電気代 見直し」といったキーワードが急伸しており、同じことを考えている人がいかに多いかがわかる。
この記事では、固定費を削る優先順位を整理しながら、実際に手を動かせる手順を紹介していく。
なぜ食費より固定費を先に削るのか
節約といえば食費、というイメージは根強い。確かに食費は見直しやすい。でも、食費を削ると生活の質が直接下がる。毎日の食事を我慢するストレスは侮れないし、続かなければ意味がない。
対して固定費は一度見直せばそれ以降ずっと効果が続く。格安SIMに切り替えた翌月から、毎月3,000円浮き続ける。一回の手続きで年間36,000円の差になる。食費を月3,000円削り続けるには、毎月の献立を管理し続ける必要がある。どちらが楽かは明らかだ。
とはいえ、固定費にも「削りやすいもの」と「削りにくいもの」がある。順番を間違えると途中で挫折する。だから優先順位が重要になってくる。
固定費削減の優先順位
削る順番は以下の5段階が基本の考え方になる。
第1位:通信費(格安SIM)
最も効果が出やすく、手続きの難易度も下がっている。大手3キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)から格安SIMに切り替えると、月5,000〜8,000円のプランが1,000〜2,000円台になるケースが多い。月3,000円の節約で年間36,000円。この規模の固定費削減を他の項目で達成しようとすると相当な努力がいる。
手続きはオンラインで完結し、乗り換えた後も電話番号はそのまま使える(MNP)。不安だった品質面も、楽天モバイルやIIJmio、mineoといった主要格安SIMは都市部では大手と遜色ない通信品質になっている。
詳しい切り替え手順は格安SIMで月3,000円節約する方法でまとめている。
第2位:保険料(不要特約・重複保障の見直し)
生命保険・医療保険は、加入時のまま何年も放置しているケースが多い。独身時代に入ったがその後結婚・子育てで状況が変わっているとか、会社の団体保険と個人保険で内容が重複しているとか、よくある話だ。
特に「特約」は要注意で、本体の保険料より特約の合計が高くなっているケースもある。まず今の保険証券を引っ張り出して、何の特約がついているかを確認するだけでいい。使わない特約を外すだけで月2,000〜5,000円変わることがある。
ただ、保険の見直しは内容の確認なしに進めると必要な保障を消してしまう可能性もある。通信費と違って慎重さが求められるため、優先順位としては第2位にしているが、手順は第1位の通信費見直しと並行して進めていい。
第3位:サブスクリプション(使っていないサービスの解約)
VOD(動画配信)・音楽・ニュース・アプリ内課金・ゲームなど、気づかないうちに月額数百円が複数積み重なっているケースが多い。月300円でも12個あれば年間43,200円だ。
マネーフォワードMEや家計簿アプリで支出を一覧にすると、「これ何のサブスクだっけ?」という項目が出てくることが多い。決済明細を見ながら3ヶ月以上使っていないものは解約候補にする。
解約の手間を嫌って放置するのが一番もったいない。ほとんどのサービスはアプリから数タップで解約できる。
第4位:電気代(新電力・プラン切り替え)
電力自由化以降、消費者は電力会社を選べる。エネチェンジなどの比較サービスで今の使用量と料金プランを入力すれば、より安いプランが一覧で出てくる。
ただし、新電力各社の市況は変動がある。2022〜2023年にかけて多くの新電力が撤退したが、2025年以降は安定した事業者も増えている。切り替えにあたっては、実績ある事業者を選び、解約金・縛り条件を必ず確認すること。
新電力への切り替えで月500〜2,000円の節約が見込める家庭は多い。詳細は再エネ賦課金値上がりの今、新電力に切り替えて電気代を節約する方法を参照してほしい。
第5位:食費(固定費を削ってから最後に)
固定費を一通り見直してからでも遅くない。固定費の見直しで月5,000〜10,000円浮いた後なら、食費はほとんど削らなくていい計算になるケースもある。
どうしても食費を削りたい場合は「週の食材をまとめ買いする」「特売日を狙う」「外食頻度を月2回減らす」あたりから始めると負担が少ない。食費は可変費なのでゼロにはできないし、削りすぎると健康・モチベーションへの影響が出やすい。
固定費削減5項目の比較
| 項目 | 月間節約額の目安 | 手続きの難易度 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| 通信費(格安SIM切り替え) | 2,000〜5,000円 | 低(オンライン完結) | 最優先 |
| 保険料(不要特約削除) | 1,000〜5,000円 | 中(証券確認が必要) | 高 |
| サブスク解約 | 500〜3,000円 | 低(アプリで即完結) | 高 |
| 電気代(新電力切り替え) | 500〜2,000円 | 中(比較サイト利用) | 中 |
| 食費の見直し | 1,000〜5,000円 | 高(継続的管理が必要) | 最後 |
マネーフォワードMEで支出を可視化する
固定費を削る前提として「今どこにお金が消えているか」を把握することが必要になる。感覚で「たぶん食費かな」と思っていても、実際に数字を見ると全然違う項目が大きかった、ということはよくある。
マネーフォワードMEは銀行口座・クレジットカード・証券口座を連携して支出を自動で分類してくれる家計管理アプリで、App Store・Google Playで無料で使える(一部有料機能あり)。
使い方の基本手順
- 1アプリをダウンロードしてアカウントを作る
- 2メインで使っている銀行口座とクレジットカードを連携する
- 3「支出」タブで先月の内訳を確認する
- 4「日用品・その他」「娯楽」あたりに予想外の金額が入っていないかチェックする
サブスクの解約候補を見つけるには、クレジットカードの明細を「月額課金っぽいもの(同じ金額が毎月)」でフィルタリングすると早い。マネーフォワードMEなら自動でカテゴリ分けされるので、サービス名が明細に出てくる。
家計の全体像が見えると、「何から削るか」の判断が感覚ではなく数字ベースになる。これだけで固定費見直しの精度がかなり上がる。
「削るだけ」では限界がある。その先に何を置くか
固定費を削って浮いたお金を、ただ使わずに置いておくだけではもったいない。実質賃金がマイナスの環境では、「節約」と「運用」をセットで考えることが必要になってくる。
月5,000円の固定費削減ができたなら、そのままNISA口座への積立に回す設定をするだけで、来年・再来年の資産に直結していく。「節約はできているが貯まらない」という状態は、削ったお金の行き先が決まっていないケースが多い。
削る順番と同じくらい「浮いたお金の使い道」も最初に決めておく。口座に入れたままにすると生活費に紛れる。積立の設定だけ先に完了させておくのが現実的な方法だ。
まとめ
✅ 今すぐできること(1分)
スマートフォンで今の月額通信料を確認してください。メイン回線が大手3キャリアで月5,000円以上なら、格安SIMへの切り替えで今月から節約できます。まず金額を確認するだけで構いません。
実質賃金4年連続マイナスという状況は、個人の努力でどうにかなる問題ではない。でも、固定費の削減は今日から始められる。
削る順番は「通信費 → 保険 → サブスク → 電気代 → 食費」。食費は最後でいい。一度削った固定費は毎月効き続けるので、最初に時間をかける価値がある。
マネーフォワードMEで支出を見える化して、削れる項目を数字で確認してから動く。その上で浮いたお金の行き先だけ先に決めておく。この3ステップが、給与が増えない時代の家計防衛の基本になる。
出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査」(2026年)https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1.html
よくある質問
Q. 格安SIMに変えると繋がりにくくなりますか?
A. 都市部・郊外の主要エリアでは大手キャリアと同じ基地局を借りているため、通常の使用では大きな差を感じにくいです。ただし、混雑する時間帯(昼休みや夕方)は速度が落ちやすい傾向があります。IIJmioや楽天モバイルなど実績ある事業者を選ぶと品質面の心配は少ない。
Q. 保険の見直しは自分でできますか?
A. まず今の保険証券を確認して「何の特約がついているか」を把握するだけなら自分でできます。その後の判断に不安がある場合は、保険会社のコールセンターに「特約の内容を確認したい」と問い合わせるだけで詳しく教えてもらえます。新規加入のセールスではなく「現在の契約内容確認」として連絡すれば、無理な勧誘を受けることなく整理できます。
Q. サブスクを解約するのは手間がかかりませんか?
A. Apple IDやGoogle Playの設定画面から、すべての月額課金を一覧で確認・解約できます。iPhoneなら「設定 → Apple ID → サブスクリプション」、Androidなら「Google Play → 定期購入」で確認できます。一画面で全部見えるので、5分もあれば不要なものを全部解約できます。
Q. マネーフォワードMEは有料版が必要ですか?
A. 無料版でも銀行・クレジットカードの連携と支出の月次確認は十分できます。無料版の制限は連携口座数(10件まで)と過去データの閲覧期間(1年分まで)が主なもので、固定費を把握して見直す目的には無料版で問題ありません。
Q. 固定費を削っても月5,000円では大した差がないと感じます。
A. 月5,000円は年間60,000円です。これをNISAで年5%運用したとすると、10年後には約75万円になる計算です(概算)。「大した差がない」と感じるのは一ヶ月単位で見ているためで、複数年のスパンで見ると話が変わってきます。また、通信費・保険・サブスク・電気代を順番に見直すと、合計で月1万円以上の削減になるケースは珍しくありません。
著者:S