NISAで配当金を非課税で受け取れる、と聞いてETFに興味を持った人は多いと思う。ただ、いざ調べ始めると「VYMとHDVどっちがいいの」「成長投資枠とつみたて投資枠、どちらに入れればいい?」と疑問がどんどん出てくる。
この記事では、その疑問に順番に答えていく。比較表を先に見たい人はスキップ導線からどうぞ。
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- ETF3選の比較表
- SBI証券での購入手順
- 今すぐできること(1分)
NISAの2つの枠、高配当ETFはどちらで買うか
NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがある。年間で使える上限はそれぞれ120万円と240万円、合計360万円だ。
高配当ETFを買うなら、原則として成長投資枠を使う。理由は単純で、つみたて投資枠に対応している銘柄はインデックスファンドが中心で、VYM・HDV・SPYDのような米国の高配当ETFは対象外になっているからだ。
ただし、ここで一点正直に言っておく。
NISAの非課税メリットは「売却益」と「国内配当税」にかかるが、海外ETFの場合は少し話が変わる。米国ETFから受け取る分配金には、米国側で約10%の源泉税がかかる。これはNISA口座でも免除されない。日本国内でかかる20.315%の税金はゼロになるが、米国の10%は取られる。
「NISAで高配当ETFを持てば配当が丸ごともらえる」は正確ではないので、この点は事前に理解しておきたい。
高配当ETFを選ぶ前に知っておくこと
高配当ETFにはいくつかの共通した特徴がある。
まず、分配金が定期的に出る(VYMなら年4回)。受け取った分配金を再投資するかどうかは自分で判断することになる。インデックス投資のように自動的に再投資される仕組みではないので、複利効果がそのまま働くわけではない点は知っておいてほしい。
それでも、「配当金という形で手元にお金が入ってくる」という感覚は、長期投資を続けるモチベーションになる、という人は多い。数字上の最適解だけでなく、自分が続けられるかどうかも大事な視点だ。
もう一点。高配当ETFは配当利回りが高い分、成長株を多く含むETF(例:QQQ)に比べると、値上がり益は控えめになることが多い。配当収入と値上がり益、どちらに重きを置くかで選ぶ商品は変わってくる。
高配当ETF3選の比較
ここからが本題。米国の高配当ETFとして最もよく名前の出る3本を比較する。
VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)
バンガードが運用する、配当利回りの高い米国株式を集めたETF。銘柄数が450本以上と多く、金融・ヘルスケア・生活必需品など複数のセクターに分散されている。経費率が0.06%と非常に低いのも特徴で、長期保有向きと言われる。
配当利回りは2025年実績で2.8〜3.2%ほど。「配当もほしいが分散も重視したい」という人に向く。
HDV(iシェアーズ・コア米国高配当株ETF)
ブラックロック運用。財務の健全性をスクリーニングして高配当株を選んでいるのが特徴で、銘柄数は75本程度とVYMより絞られている。エネルギーセクターの比率がやや高い。配当利回りは3.5〜4.0%ほど。
銘柄を絞っている分、特定のセクター動向に影響を受けやすい。エネルギー価格が上がると強く、下がると弱い、というイメージ。
SPYD(SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF)
S&P500の中から配当利回りの高い80銘柄を選ぶETF。3本の中では配当利回りが最も高く、4〜5%台になることもある。ただし、不動産(REIT)やエネルギーセクターの比率が高く、相場の影響を受けやすい面がある。
値動きのブレが大きい代わりに配当利回りは高め、というポジションだ。
比較表:VYM vs HDV vs SPYD
| 項目 | VYM | HDV | SPYD |
|---|---|---|---|
| 運用会社 | バンガード | ブラックロック | ステートストリート |
| 銘柄数 | 約450本 | 約75本 | 約80本 |
| 配当利回り(目安) | 2.8〜3.2% | 3.5〜4.0% | 4.0〜5.0% |
| 経費率 | 0.06% | 0.08% | 0.07% |
| 分配回数 | 年4回 | 年4回 | 年4回 |
| 特徴 | 広い分散・低コスト | 財務重視・セクター集中 | 高利回り・値動き大 |
| こんな人に向く | 安定重視・長期保有 | 財務健全性を重視したい | 高い配当金額を優先したい |
どれが「正解」かは人によって違う。3本とも長年の実績がある商品なので、迷ったらVYMから入る人が多い印象だ。
SBI証券での購入手順
SBI証券でVYMなどの米国ETFを買うには、まず外貨建て口座の設定が必要になる。
- 1SBI証券にログイン → 「外国株式」メニューを選ぶ
- 2米国株・ETF取引の開設申請をする(口座開設済みでも別途申請が必要)
- 3円を米ドルに換える(為替手数料:1ドルあたり25銭)
- 4ティッカーシンボル(VYM・HDV・SPYD)で銘柄を検索
- 5株数と指値・成行を選んで注文
注意点として、米国株は1株単位での購入になる。2026年5月時点でVYMは1株120ドル前後なので、約1万8千円〜が最低ラインになる。楽天証券でも同様の手順で購入できる。
為替手数料は購入・売却それぞれにかかる。ドル転(円→ドル)を一気にまとめてやると1回分の手数料で済むため、少額を毎回換えるより効率的だ。
配当金の受け取り方と税金の話
VYMは年4回(3月・6月・9月・12月ごろ)に分配金が出る。NISA口座で保有していれば、日本国内の税金(約20.315%)はかからないが、前述の通り米国源泉税10%は引かれた後の金額が入金される。
たとえば1万円の分配金なら、手元に届くのは9,000円ほどになる計算だ。
分配金は自動で再投資されないので、受け取った後に自分で追加購入するか、生活費に使うかを決める。定期的に入金があるのは続けるモチベーションになるが、複利効果を最大化したいならインデックスファンドのつみたて(eMAXIS Slim全世界株式など)の方が理屈上は有利、ということも覚えておきたい。
✅ 今すぐできること(1分)
SBI証券または楽天証券のマイページを開いて、NISA口座の「成長投資枠の残枠」を確認してみてください。残枠がある状態でも、まずVYMを1株(1万8千円前後)だけ購入するという体験をすることで、購入フローや分配金の入金タイミングの感覚がつかめます。
よくある質問
Q. NISAのつみたて投資枠でVYMは買えますか?
A. 買えません。VYM・HDV・SPYDはつみたて投資枠の対象外です。NISA口座内の成長投資枠(年間240万円まで)を使って購入します。
Q. 高配当ETFとインデックスファンドのつみたて、どちらが先ですか?
A. 迷うなら、まずつみたて投資枠でインデックスファンドのつみたてを始めるのが多くの場合で安定しています。成長投資枠の高配当ETFは、その上乗せとして位置づけるのが自然です。
Q. SPYDは利回りが高いのに、VYMやHDVよりリスクが高いのはなぜですか?
A. SPYDはS&P500の中から配当上位80銘柄を選ぶ仕組みで、不動産(REIT)・エネルギーセクターの比率が高くなりやすいです。これらのセクターは景気変動で値動きが大きく、相場が荒れると分配金が減ることもあります。利回りの高さとリスクは表裏一体です。
Q. 1株単位での購入は難しい。少額から買う方法はありますか?
A. SBI証券の「S株」(単元未満株)サービスを使えば、米国ETFを1株未満から購入できる場合があります。ただし対象銘柄やスプレッドの条件が異なるため、購入前に確認してください。
Q. NISAで受け取った配当金の確定申告は必要ですか?
A. NISA口座で受け取った分配金は、国内税が非課税になるため基本的に確定申告は不要です。ただし、外国税額控除(米国の10%源泉税を取り戻す手続き)は、NISA口座では適用できません。特定口座で保有している場合とは条件が異なります。
まとめ
NISAの成長投資枠は、高配当ETFを非課税で保有できる有力な使い道のひとつだ。ただし「配当がまるごと非課税」は正確ではなく、米国源泉税10%は引かれる点は最初から知っておいた方がいい。
VYM・HDV・SPYDはそれぞれ特性が違う。「分散と安定」ならVYM、「財務重視」ならHDV、「利回り最優先」ならSPYD、という整理が大まかな目安になる。
配当金という形で定期的に収入を実感しながら続けられるかどうかも、投資を長く続ける上で大事な要素だ。比較表と手順を参考に、まず1株から試してみてほしい。
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著者:S
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